7章 9/10『みつばちマーヤの冒険』クモに捕らえられたマーヤ

第7章 クモに捕らえられたマーヤ

☆7. MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE

作 WALDEMAR BONSELS  絵 Franziska Schenkel


 「道を開けて」と青緑色に輝く甲冑に身を包んだクルトは叫びました。

 「私、あなたの道を塞いでいるのではないわ、クルト」と、マーヤは言いました。

「あーあ、私はあなたの上に吊るされているの。クモに捕まえられてしまったの。」

 「いったい君はだれ?」とクルトは聞きました。「私はどこでも有名だから、

君が私を呼んだんだね?」

 「私、みつばちマーヤよ。どうか助けて!」「マーヤ?マーヤ?あー思い出した。

数週間前に知り合ったね。あのいやな出来事のとき。君が窮地に落ちているのは

確かだし、私の助けが必要のようだね。時間もあるし、断る理由はないよ。」

  「あー、やさしいクルト!この糸を壊せる?」

  「この糸だって、ばかにしているのかい?」クルトはりゅうりゅうとした腕の

力こぶを見せました。

「ごらんよ、おちびチャン。正真正銘の鋼だって切れるよ!こんな力持ちはそうは

いなよ。クモの巣をめちゃめちゃにして、それに私がほかのことも行なったら、

あなたはビックリ仰天するだろうよ。」

  彼は葉っぱのところまで這って近づき、小さなマーヤを吊るしている糸を

しっかりつかみ葉っぱを引きちぎりました。糸は切れ、マーヤとクルトは地面に

落ちました。「これは手始め」とクルトは言いました。「君は震えているね、

あー可愛そうな小さなマーヤ。顔はなんて真っ青なんだ。だれがこんな目の遭わせ

たの?わしが死がどういうものか目にもの見せてくれるわ。まずはあなたを解こう」

  小さなみつばちは、言葉を発することなどできません。ただただうれしくて

喜びの涙が頬をつたって来ます。また自由です。日の光の中をどこにでも飛べる

のです。生きていられるのです。

  その時、彼女はクモがキイチゴのつるをつたって降りてくるのに気づきました。

  「クルト」と、彼女は叫びました。「クモが来る!」 




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「絵本で覚えるドイツ語」


この記事へのコメント

はじめまして(*^_^*) ドイツにいとこが住んでいます
2008年07月17日 18:22
北朝霞で3か月前~ヨガ教室を初めました。縁あって巡り合えた素敵な仲間と夏に<お外ごはん>しようといろいろ模索していて行きつきました。
お二人の文章に同感・共感したり敬服したり・・・これも運命(^_-)-☆
素敵なご夫婦に出会えたこと感謝です。

ちょくちょく寄らせていただきます。ご自宅でのバーベキューなど 教室立ち上げ後の役立ちヒントがいっぱい。学びのテキストにさせていただきたいと存じます。木曜日はあいにく空いておりませんが 機会あればぜひ子供ともどもセミナーに参加したいと存じます<なにより朝霞の立ち遅れた環境問題意識にストレスを感じているので!ぜひそちらの皆様と和やかな時間を共有してみたいです。私のブログは<スマイルFM>から簡単にアクセス可
<アトリエ ヨギーヨギーニ>です。ミクシーブログの会員さんでしたら<きゅん3>もぜひ。こちらは毎日更新です。それでは満月の木曜日、おだやかにお過ごしくださいませ
2008年07月18日 06:39
Danke! ありがとう!(ありがとうございます!)
逆転の発想で、発展の余地がたくさんあるCity
と考え、これからの世代を担う”きゅん3”さん
宜しくお願いします。
by ボンチェ (2008-07-17 22:28)

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